糖尿病ってどんな病気?症状や治療法は?初心者向けに徹底解説!
ライフスタイルの欧米化に伴って多くの患者が発生している糖尿病。
一度患ってしまうと、日々の生活に支障が出るだけでなく、様々な合併症を引き起こしかねません。
今回は、糖尿病にかかる原因、症状や治療法など基礎的なことを解説していきます。
Contents
糖尿病とは?
糖尿病は、どんな病気なのでしょうか?
糖尿病とはインスリンの働きが悪くなる、もしくは完全に働かなくなるなどして、血液中のブドウ糖が増加してしまう病気です。
血糖値が高い状態が何年間も続いた場合、血管が損傷し心臓病や腎不全、脚部の切断といった慢性的かつ重度な症状が発生します。
さらに、著しく血糖が高い状態が続いた場合、昏睡を引き起こすことがあるので注意が必要です。
インスリンとは?
私達が食事で得た栄養素は腸内で吸収され、糖分を含む食べ物に関しては消化酵素の働きによって、ブドウ糖に分解されます。
血中におけるブドウ糖が増え、血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが分泌。
健康な人であればインスリンの働きにより血糖値が下がり、ブドウ糖は筋肉などへ送られ、私達が体を動かす際のエネルギーとして使われます。
1型糖尿病とは?
1型糖尿病とはβ細胞と呼ばれる、すい臓からインスリンを出す細胞が、破壊されてしまう病気です。
別名、『インスリン依存型糖尿病』とも呼ばれていました。
この1型糖尿病では上記のとおりβ細胞が機能を失っていることから、インスリンの分泌量が極微量になったり、全く作れない状態になってしまいます。
糖尿病の全患者のうち、5%くらいの人が1型糖尿病の患者です。
また、1型糖尿病は症状の進行状況によって次の3つ種類に分けられます。
1.劇症型糖尿病
劇症型糖尿病は、最も早く進行するタイプの糖尿病です。
1週間程度で、インスリン注射が必須の状態になってしまいます。
インスリンの投与が遅れた場合、『糖尿病ケトアドーシス』という極めて重い合併症を引き起こすので注意をしてください。
2.急性発症1型糖尿病
急性発症1型糖尿病は、最も多くの患者に見られるタイプの糖尿病です。
糖尿病になってから、数か月が経過したあたりで、インスリン注射が必須の状態になります。
3.かんじょ進行1型糖尿病
かんじょ進行1型糖尿病は、最も遅く病状が進行していくタイプの糖尿病です。
半年~数年間かけて、徐々にインスリンを分泌する機能が衰えていきます。
かんじょ進行1型糖尿病の発症当初は、インスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることが可能です。
そのため、後述する2型糖尿病だと診断される場合があります。
症状が進んでから、かんじょ進行1型糖尿病と診断されることがあるので医師に十分確認しましょう。
原因
残念ながら、1型糖尿病においてβ細胞が破壊される原因は、まだ解明されておりません。
一説によると、『自己免疫』が関わっているのではないかと考えられています。
自己免疫とは、なんらかの原因で自分のタンパク質に対する抗体が作られてしまう状態のことです。
抗体は異物とみなしたものを排除しにかかるため、自己免疫の状態になると様々な疾患を引き起こします。
また、遺伝的に1型糖尿病になりやすい体質を持っていることが原因なのではないかとも考えられていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
症状
1型糖尿病の症状は、
- 普段よりものどが渇く
- 頻尿になる
- 体重が急に落ちる
- 強い疲労感
- のどの痛み
- 咳
- 上気道炎症
- 消火器の異常
- 腹痛
- 体重の減少
- 意識障害
など様々なものがあります。
多くの人に頻尿の症状現れますが、これは強いのどの渇きにより、多飲になるのが原因です。
2型糖尿病とは?
2型糖尿病は最も典型的な糖尿病で、全患者のうち90%以上の人がこのタイプの糖尿病に該当します。
この2型糖尿病になると、すい臓からインスリンを分泌する機能が低下し、その結果、十分な量のインスリンを生産できなくなってしまうのです。
1型糖尿病はすい臓の働きがほぼ機能不全、または完全な機能不全に陥りインスリン投与注射が必須であるのに対し、2型糖尿病は投薬療法や食事療法などを用いて対処するのが一般的となっています。
これらの療法を用いてもインスリンの分泌量が十分でない時には、注射によってインスリンを投与しなければなりません。
2型糖尿病は主に40歳以降の中高年を中心として発症しますが、最近は依然と比べて若年層の罹患者が増加傾向にあります。
自分は若いから大丈夫などと過信は禁物。十分に注意してください。
2型糖尿病の原因
上でも書きましたが、2型糖尿病の主な原因は加齢です。
さらに、食べすぎや運動不足といった生活習慣や、遺伝子が原因で発症するとも言われています。
そのため家族が発症した際は、父母や兄弟姉妹など家系内縁者も検査が必要です。
さらに、肥満は2型糖尿病を発症するリスクを大幅に高めてしまうので、太っている人は今すぐにでもダイエットに励みましょう。
ちなみに、多くの人は糖分の取りすぎが発症の原因と考えていますが、それだけが原因というわけではありません。
様々な因子が絡み合った結果、引き起こされる病気と考えてください。
2型糖尿病の症状
2型糖尿病の症状は下記のとおりです。
- 強い疲労感
- 皮膚の乾燥
- 手足の感覚の低下、刺すような痛み
- 感染症の罹患リスクの増加
- 頻尿
- 目のかすみ
- 性機能の低下
- ケガが治癒にしにくくなる
- 強い空腹感
- 強いのどの渇き
2型糖尿病の場合、基本的に長期間にわたって症状が現れません。
そして、例え症状が出てきても軽度なものしか発生しないのが特徴です。
また、血糖値が160~180mg/dLを超えたあたりから尿に糖分が出てきます。
そのため、血中の糖を薄めるために多量の水分を欲するよう、脳から指令が出るのです。
さらに、頻尿になると多くのカロリーが排尿で失われるため、体重が低下する原因となります。強い空腹感を感じるのは、このためです。
こういった症状が出てきた場合はすぐに病院で診察してもらいましょう。
糖尿病の治療法
糖尿病はどうやって治療するのでしょうか?
ここからは、糖尿病の治療法についてみていきましょう。
・食事療法
近年では食の欧米化が進み、摂取した糖分の処理が追いつかず、血糖値が上がりっぱなしになってしまう人が見受けられます。
この状態が続いてしまうと、すい臓の機能が低下しインスリンの分泌量が少なくなってしまい、最終的には糖尿病になってしまうのです。
その場合、ほぼ全ての患者が食事療法で病状の改善を図ります。
食事療法の基本的な考え方は、カロリーの摂取を抑えることで血糖値をコントロールするというものです。
バランスのとれた食事を心がけることで、すい臓にかかる負荷を軽減し、インスリンの分泌機能の回復を狙います。
そしてこの方法は、現在糖尿病にかかってない人が実践することで、病気を予防することが可能です。
なお、食事療法を実践する際は、医師からわたされる食事指示票に記載してあることをしっかり守りましょう。
・運動療法
多くの場合、食事療法と合わせて運動療法が行われます。
前述したとおり、糖尿病は肥満や運動不足に起因するため、適度な運動が必要となるのです。
食事療法を実践しつつ運動を継続することで、糖尿病の根本原因である肥満が解消されます。
さらに、運動によりインスリンの働きも向上していきますが、これは筋肉への刺激がすい臓の機能を回復させるためです。
また、食後1時間ほど経過してからの運動は、血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。
毎日の生活の中に適度な運動を加えて、上手に糖尿病をコントロールしていきましょう。
・投薬治療
投薬治療は、インスリンの分泌を促す薬を用いた治療法です。
食事と運動だけで症状の改善が認められない時は、薬を用いた治療法にシフトします。
・インスリン注射による治療
インスリン注射による治療は、1型糖尿病で多く見られる治療法です。
上でも書きましたが、1型糖尿病になってしまうとインスリンの分泌量が著しく少なくなったり、全く出なくなってしまいます。
1型糖尿病は、インスリンを注射し、健康な人と同等の血糖値に近づけることを目的とした治療法です。
現在では、多種にわたる製剤や注射方法があるので、自分に合ったものを選びましょう。
まとめ
糖尿病に関して、原因や症状、治療法など基礎的な知識を解説してきました。
この病気の最も恐ろしいところは、一度患ってしまったら死ぬまで完治しないというところです。
とは言え医学の進歩により現代では、血糖値を適切にコントロールすることで、病気と上手に付き合っていけるようになりました。
治療中の人は、医師のアドバイスどおりにしっかり療養に励んでください。
また、糖尿病を患っていない人は日々の生活を見直し、問題点があればすぐに行動に移し改善しましょう。
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