「運動しているのに、痩せない」「筋トレしても、筋肉がつかない」と感じることはありませんか?

知らない人も多いのですが、その原因はタンパク質不足です。タンパク質が不足すると筋肉が減ってしまい、痩せにくく太りやすい体になってしまいます。そんなタンパク質不足を解決するのが「プロテイン」なのです。

そこで今回は、プロテインを効率良くとる方法を解説します。プロテインの選び方や、吸収率をアップさせる方法もお教えしますので参考にしてくださいね。

なぜプロテインが必要なのか?

人間の体の20%はタンパク質でできています。タンパク質は、筋肉や骨、血液、皮膚など体をつくり出す栄養素です。

しかし、加齢やダイエットなどで食事の量が減ったり、ストレスやハードな運動でタンパク質を消耗したりするとタンパク質が不足します。

体をつくるタンパク質が不足すると、筋肉が減り、爪や髪、皮膚がもろくなる、傷の回復が遅くなる、肝機能低下、免疫力低下など体の不調を引き起こすのです。さらに、筋肉量が落ちることで、運動しなくてもカロリーを消費する基礎代謝も落ちるため、痩せにくく太りやすい体になります。

つまり、筋肉をつけたり、痩せたりするためには、タンパクをしっかりと摂る必要があるのです

1日に必要なタンパク質の量は、大人の場合「体重1㎏に対して1g」になります。しかし、運動をしている人や、筋肉をつけたい人の場合は、「体重1㎏に対して1.5~2g」のタンパク質が必要です

体重が60㎏の人が120gのタンパク質を摂ろうとすると、牛乳であれば4ℓ、玉子なら36個、ヒレステーキなら800g食べないと適正量になりません。

それだけの量を食べることは難しいと言えるでしょう。さらに、タンパク質以外の余分な糖質や脂質などもとることになり、カロリーオーバーになってしまいます。

そこで、「プロテイン」が必要になるのです。プロテインとは、タンパク質を摂取できるサプリメントで、カロリーを抑えながらタンパク質を効率良くとることができます。ダイエットや筋トレをするなら、プロテインを活用してタンパク質を補給するのがベストなのです。

プロテインの種類と選びかた

プロテインは、牛乳から作られる「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」と大豆から作られる「ソイプロテイン」の3種類があります。

<ホエイプロテイン>

牛乳(乳清)から精製されたプロテイン。吸収が早い。筋肉をつくるのに必要な必須アミノ酸が豊富に含まれている。ランニングや筋トレなどハードな運動をしたときに摂るのが良い。

<カゼインプロテイン>

牛乳から脂肪とホエイを取り除いた乳固形分から作られている。ゆっくり吸収される。免疫力を高めるグルタミンが含まれている筋肉をキープしたい人やアスリートが使うことが多い。

<ソイプロテイン>

大豆由来のタンパク質消化、吸収はゆるやか。代謝をサポートするアルギニンが入っている。シェイプアップしたいときに向いている。

プロテインは、水に溶かして飲むパウダータイプが一般的ですが、タブレットやドリンク、ゼリータイプなどもあります。

プロテインの選びかた

プロテインを選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。

【成分】

タンパク質が、1食で十分に摂れるか確認してください。タンパク質保有量80%なら、100gプロテインをとれば80gのタンパク質がとれるという意味です。

また、栄養素は組み合わせて摂ることで相乗的に働きます。どんな補助成分が入っているかも確認しておきましょう。

【価格】

プロテインは続けることで効果が期待できます。続けやすい価格かどうかも選ぶポイントです。

【飲みやすさ】

毎日飲むなら好みの味の方が続けやすいので、お気に入りの味を探してください。さまざまなメーカーから、プレーンやココア、イチゴ、バニラアイスなどいろいろな味が出ています。

しかし、味の好みや飲みやすさは、実際に飲んでみないと分からないことが多いものです。そんなときは、少量パックのプロテインを試してみると良いでしょう。

【安全性】

体の中に入れる食品だからこそ、安全性と品質は大事です。生産しているメーカーや販売している会社が信頼できるかチェックしてください。

牛乳を飲むとお腹がグルグルする、乳糖不耐症の方は「乳糖不使用」「アイソレートタイプ」を選べば大丈夫です。

いろいろなプロテインを試して、自分に合ったものを見つけましょう。

プロテインの効果的な飲み方

「腹筋ローラーやチューブなどエクササイズグッズ」の写真

体の中でタンパク質は毎日作り変えられ、古くなったタンパク質は排泄され、食べたタンパク質を合成して、新しいタンパク質(筋肉など)をつくっています。

つまり、タンパク質は毎日とらなければ不足するのです。

しかし、一度に大量のタンパク質を摂っても、吸収されず、余分なタンパク質は捨てられてしまいます。また、過剰に摂取すると肝臓の負担になるのです。

そこで、1回に10~20gのタンパク質を3~5回程度に分けて摂りましょう。食事だけでは足りないタンパク質をプロテインで補います。

<プロテインの基本的な飲み方>

  • 1回10~20gを3~5回に分けてとる
  • 食事の補助として使う
  • 適正量を意識する

パウダータイプのプロテインは水に溶かして飲みましょう。牛乳やジュースでも代用できますが、その分カロリーは高くなるので注意が必要です。

<いつ飲めばいいのか>

プロテインはサプリメントなので、いつ飲むか決まりはありません。栄養を吸収しやすいタイミングで摂ると効果が期待できます。

【トレーニング直後】

トレーニング直後30分以内にプロテインを飲みましょう。この30分は「ゴールデンタイム」と呼ばれており、トレーニングによって刺激を受けた筋肉が、修復しようと栄養を吸収するベストなタイミングになります。

【朝】

睡眠中は栄養をとることができないため、朝はタンパク質が不足している状態です。体は足りない栄養を欲しているので、朝にプロテインをとると、効率良くタンパク質を吸収することができます

【夜】

夜にもタンパク質を補給しておきましょう。就寝時に成長ホルモンが分泌されるため、栄養素を吸収しやすくなります

ただし、寝る前に飲むと消化ができず質のよい睡眠がとれません。飲食は、就寝2時間前までに済ませてください。

あとは、間食としてプロテインを取ればOKです。1日の適正量を、食事とプロテインでとれるように考えましょう。

プロテインに慣れていない人は、空腹時に飲むのは控えてください。プロテインのタンパク質を分解するために、胃酸が過剰に分泌され気分が悪くなることがあります。そのような場合は、食後に飲むようにしましょう。

吸収率をアップさせるには?

吸収率をアップさせるポイントは3つです。

<毎食タンパク質をとる>

10~20gのタンパク質を数回に分けてとることで、効率良くとることができます。お肉や豆腐を食べたり、プロテインを飲んだりしてタンパク質を毎食とりましょう。

<毎食、動物性タンパク質と植物性タンパク質をとる>

タンパク質には動物性と植物性があります。

動物性タンパク質…肉、魚、玉子、牛乳、乳製品など

植物性タンパク質…豆、穀物類、大豆製品など

タンパク質を合成する必須アミノ酸が含まれる「動物タンパク質」は、吸収が早くトレーニング後の体の修復や、免疫力を高める効果があります。しかし、高カロリーで脂肪が多いのです。

一方、「植物性タンパク質」は、低脂肪でダイエットに向いているのですが、必須アミノ酸が一部欠けています。つまり、偏って摂取するのは体にとって良くないのです。

そのため、両方をバランス良くとる必要があります。タンパク質をとるときは、半分は動物性、もう半分は植物性になるようにしましょう。

<相乗効果のある栄養素を一緒にとる>

栄養素を組み合わせることで、それぞれの栄養素が持つ力以上の効果を発揮することがあります。つまり、「食べ合わせ」による相乗効果のことです。

<タンパク質と相乗効果がある栄養素>

ビタミンB6(筋肉に合成されるのをサポートする)…かつお、レバー、バナナなど

ビタミンC(筋肉や関節を強化する)…レモン、いちご、ピーマンなど

マグネシウム(神経機能を向上する)…海藻、アーモンド、大豆など

糖質(タンパク質の吸収を良くする)…小麦、米など

タンパク質を摂るときは、一緒に野菜やお米も食べるようにしてください。

さらに、プロテインは過熱しても栄養素は変化しません。スープに混ぜたり、パンケーキやお好み焼きの粉として使ったりもできます。

プロテインをうまく利用して上手にタンパク質をとりましょう。

まとめ

プロテインはタンパク質を摂取できるサプリメントです。普段の食事だけでは補えないタンパク質を、効率良く摂ることができます。

プロテインを飲むときは、10~20gを数回に分けてとることが大切です。また、朝、夜、トレーニング後など、体が栄養を吸収しやすい時間にとることもポイントになります。

プロテインをとることで、ダイエットやトレーニングの効果が出やすくなるので、理想の体になるためにもプロテインを活用しましょう。