近年、研究によって紫外線の有害性がわかってきました。「紫外線は体に良くない」と、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

しかし、紫外線とは何か、どうして有害なのか、なぜUV対策が必要なのか、ちゃんと理解している人は少ないかもしれません。

そこで今回は、紫外線について詳しく解説します。効果があるUV対策のしかたもお教えしますので参考にしてくださいね。

紫外線って何?

太陽の光には目に見える「可視光線」と、目に見えない光「赤外線」と「紫外線」があります。紫外線は、一番波長が短い光です。

波長とは、光の色のことを指します。虹の赤~紫までの七色は可視光線、その外側にあるのが、赤外線と紫外線です。

紫外線は、紫を超えた光という意味で、「Ultra Violet Ray」と英語で表わされ、「UV」と略されます。

紫外線には、日焼けや殺菌などの化学作用があることがわかっています。そのため、皮膚病の治療など医療にも使われているのです。

しかし、紫外線には有害性もあります。紫外線を浴びることが、身体に長期的なダメージをもたらすのです。

どうして紫外線は有害なの?

紫外線は波長によって「UVA」「UVB」「UVC」の3種類に分けられます。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

【UVA】

地上に届く紫外線の9割。波長が長く、雲やガラスも通り抜ける。

殺菌効果や、ビタミンDの生成、セロトニンなどホルモン分泌を促す作用がある

メラニン色素を酸化させ、肌を黒くする。そして、しわやたるみなど老化を進ませる

【UVB】

ほとんど大気層(オゾン)に吸収されるが、一部地上まで届く。

A波より有害性があり、B波を浴びると肌が赤くなる炎症(日焼け)が起きる。シミ、そばかすの原因になる。皮膚への影響が強いため、くり返しB波を浴びると、皮膚がんや白内障など病気のリスクが高まる

【UVC】

ほぼ大気層(オゾン)に吸収され地表までは届かない。B波よりも有害で皮膚病の原因になる。

このように、紫外線を浴びると老化や病気のリスクを高めます。お肉に熱を通すと固くなるように、紫外線も体のタンパク質を変性させてしまうのです

人間が太陽の光を浴びると日焼けしてしまうのは、紫外線から身を守るためです。しかし、紫外線は皮膚の奥まで達し、潤いやハリを保つコラーゲンやエラスチン(タンパク質)を傷つけます。

その結果、皮膚細胞にダメージが蓄積され、シミやしわに…。

さらに近年、オゾン層の破壊が環境問題になっています。そのため、地上まで届く紫外線が増えている可能性があるので注意が必要です。

つまり、有害な紫外線からお肌を守るために、UV対策をする必要があります。

これが正解!UV対策のしかた

太陽が毎日輝くように、紫外線も毎日地上に届いています。

日本の場合、紫外線の量が最も多い季節は7~8月です。しかし、冬でも夏の半分程度の紫外線が降り注いでいます。

また、UVAは雲やガラスも通り抜けるため、曇りの日や室内でも注意しなければいけません。

そのため、UV対策は毎日するのがベストですので、有効な方法をお教えします。

【UV対策のしかた】

<紫外線が強い時間の外出を避ける>

日本で紫外線量が最も多い時間は、10~14時です。この時間に外出するときは、気を付けましょう。

日傘、帽子、衣類、サングラスを活用する

外に出るときは、帽子や長そでの衣類などを使えば、紫外線をある程度防ぐことができます。

日焼け止めをぬる

肌が露出する部分は、日焼け止めをぬってください。

このようにUV対策をすれば、紫外線の影響を弱めることができます

しかし、日焼け止めの選び方や使い方を間違うと効果が薄れてしまいます。

そこで、日焼け止めの選び方と使い方を確認しておきましょう。

日焼け止めを選ぶとき基準になるのが、「SPF」と「PA」です。

【SPFとは?】

UVBへの防止効果を表す数値です。数字が大きいほど効果が高くなります。

数値が「10」の表記であれば、「炎症(日焼け)を10倍遅らせることができる」という意味です。

【PAとは?】

UVAへの防止効果を「+」の記号で表しています。1~4段階まであり、プラスが多いほど効果が高くなります。

SPFやPAの効果が高い日焼け止めを選ぶのは、間違いではありません。ですが、強いUV効果を持つ日焼け止めは、皮膚への密着度も高くお肌の負担になります。

肌トラブルを避けるためには、日常用とレジャー用などシーンによって日焼け止めを変えましょう

通勤や通学、買い物程度であれば、「SPF10~30++」で大丈夫です。

海水浴やスキーなど、屋外で活動するときは「SPF30~50+++」を使ってください。

また、日焼け止めを使うときは、たっぷりとって、広げるようにぬりましょう。円を描くように手を動かすと、ムラなくきれいにぬることができます。

さらに、日焼け止めは、汗をかいたり、タオルで拭いたりすると落ちてしまいます。日焼け止めのUV効果をキープするためには、2~3時間おきにぬり直しましょう。

UV対策をきちんとしていれば、紫外線のリスクを避けることができます。

日焼けしてしまったときは?

日焼けは皮膚が炎症(やけど)を起こした状態です。日焼けしたときは、冷たいタオルを当てて患部を冷やしましょう

痛みがあるときは、湯船に浸かったり、ゴシゴシ肌をこすったりすることは避けてください。

また、日焼けした肌はダメージを受け乾燥しています。肌の状態が落ち着いたら、ローションなどで保湿をすると良いでしょう

さらに、インナーケアとして「ビタミン」と「リコピン」を意識して摂ってください。

  • リコピン(活性酸素を除去する)…トマト、スイカ、マンゴーなど
  • ビタミンA(潤いやハリを保つ)…人参、カボチャ、レバーなど
  • ビタミンC(美白に効果がある)…レモン、ブロッコリー、パプリカなど
  • ビタミンE(新陳代謝を促す)…ナッツ類、玉子、ごまなど

これらの栄養素は、日焼けしたお肌の回復に役立ちます。サプリメントで摂取するのも良い方法です。

日焼けしてしまったときは、アフターケアをしっかりしておきましょう。早めにケアをすれば、健康的な肌を取り戻すことができます。

まとめ

紫外線とは、見えない太陽の光のことです。紫外線は波長により3つに分けられ、その中のUVAとUVBが地上まで届いています。

紫外線には、タンパク質を変性させてしまう作用があります。そのため、人体にも有害なのです。つまり、紫外線を浴びるほど、老化や病気のリスクが高まります。

いつまでも若々しく健康でいたいですよね。そのためにも、UV対策をしましょう。