19 Pregnant Sex

会いたいと言ってきたのはキミからだった。

それは始めてぼくがキミの性器を見た、あのミニブログの投稿から6ヶ月後。

セックスした後の中出しの証拠写メを、自分のミニブログにアップするような女はごめんだと妙にスッキリしてから、ずいぶんとたってからキミからのダイレクトメッセージ。

どうしてもあなたに会いたい、お願いですから合ってくださいというキミのメッセージは、ずっと上から目線だったそれまでとあまりにトーンが違い、何か切実さすら感じてしまったので、ごめんだと思いながらも気乗りはしなかったがぼくは「わかった」と返事をした。

新宿ではなくなぜだか渋谷のハチ公前で待ち合わせたぼくたちは、夜の雑然とした人混みの中でも案外簡単に相手を見つけることができて、そして何となく予想はしていたけれど現実として彼女の体に異変が起きていることに、ぼくはすぐ気がついた。

おなかの、小さな隆起。

「おめでとう」

「ありがとう」

顔を合わせるのは一年ぶりまではいかないけれど、それに近いかった。

ぼくたちは多くをしゃべることなく、肩を並べてもうすぐクリスマスが終わって正月を迎えるまでの慌ただしい季節の渋谷の坂をぽつぽつと登った。

「結婚したの?彼と」

「まだ」

「そう」

いずれにせよ彼女について多くを知ることは、あまり望ましいことではない。でも、何となく彼女がぼくを必要としている気がすごくして、それに答えてあげたいなと思ってぼくはいまここにいた。

少しくらいは、ぼくは彼女に感謝している。

一緒にいたほんのわずかばかりの時間は、とても幸福だったから。

でも、もう過去の出来事だ。

その彼女との短い過去が、それよりももっと過去の重苦しい記憶をそれまでよりも過去にしてくれたことに対して、ぼくは今日、お返しをしてあげようと思っていた。

「ねえ。Q」

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